精神科と心療内科の違い
精神科と心療内科の違いを簡単に言うと、精神科は、精神症状、つまり、こころの問題について扱うところです。不安、気分の落ち込み、イライラ、パニック、強迫的な行動、妄想や幻覚・幻聴などです。心療内科は、心身症を扱うところです。
心身症とは、からだに起きている症状に、ストレスや性格(心理的)、その人が置かれている人間関係や状況など(社会的)が関わっていると考えられるものを指します。
例えば、「お腹の調子が悪い」とき、内科を受診しますよね。そこでいろいろな検査をして、異常が分かると、薬や手術等の治療で改善されます。
でも、検査をしても「異常」が見つからないこともあります。これは、からだの機能に異常が起こっていることが考えられます。機能の異常というのは、問題はないけど上手く働かないという状態のことをいいます。
また、「異常」があっても、それが何度も起こったりする背景に、やはり心理・社会的な問題が関わっていることがあります。
こういう症状を心身症と言い、心療内科で扱うのです。
具体的には、機能性胃腸症や過敏性腸症候群、慢性疼痛、アトピー性皮膚炎、片頭痛、緊張型頭痛、痙性斜頚、書痙、めまい症などです。
まちのクリニックには、「心療内科」と掲げていて、実は精神科であることが多く見られます。
これは、「精神科」のイメージに抵抗感があって、受診するハードルが高いかたがいらっしゃるので、「心療内科」と掲げて受診しやすくしているようです。
ですので、病院のホームページの「院長紹介」や「スタッフ紹介」といったページを見たり、病院に直接問い合わせて、医師がどのような専門なのかを確認することをおすすめします。
精神科は統合失調症などの重い精神症状、心療内科は不眠やうつなどの軽い精神症状、と誤解をされている方が多いので、きちんと理解したうえで受診していただければと思います。
心身症の症状についてお困りの場合は、まずは、内科や神経科(神経内科)、整形外科などを受診されることが多いと思います。そこでも治らない…という場合に、医師に心療内科を勧められることが多いと思います。
ご自分で探す場合は、心療内科学会認定の登録医が、心療内科学会のホームページで検索できます。